【アンサングシンデレラ6話】①抗生物質の適性使用について

患者さんの求めに応じて、必要のない抗生物質を漫然と処方する、という開業医は現実にはかなり減っていると思う。

それは、数年前から厚生省が耐性菌について危機感を抱き始め、抗生物質の適正使用について厳しく指導し始めたことが大きな原因だと思う。

小児の場合は抗生物質を減らした場合(患者さんに説明して)、診療報酬も上乗せされることになった。

知り合いの歯医者さんも、「使える抗生物質と日数を厳しく制限されるようになってきた」と言っていた。

耐性菌というものが、一般の人にも知れ渡ってきたので、長期に抗生物質を飲みたがる患者さんも少なくなってきたと思う。

 

しかし、ドラマのように独特な信念を持つ患者さんもいる。とにかく自分の考えに固執して、聞く耳持たない。

先生も仕方なく処方する、ということもあると思う。

ただ、抗生物質はそんな長期には出さないだろう。

ドラマの患者さんの場合、先生に対する信頼は厚かったし、ただ薬が欲しいだけだったので、抗生物質ではなく、先生がうまく説明して、症状を抑える薬だけ出せばよかったと思う。まあそれだとドラマにならないけど(^○^)

 

私が受けた処方では、長期に抗生物質を出されたケースは2つある。

ひとつは、難治性の慢性副鼻腔炎に、少量でマクロライド系の抗生物質3〜4ヶ月ほど処方されるケース。

もうひとつは、難治性のニキビに漸減でテトラサイクリン系の抗生物質12ヶ月処方されるケース。

どちらも抗菌作用ではなく、抗炎症作用を期待して処方される。

 

追記:薬剤性腸炎は、特に長期に抗生物質を服用していなくても発症することがあるそうです。

www.saitama-clinic.com

https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000573655.pdf

https://www.mhlw.go./content/10900000/000573655.pdf

 

 

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