Amazonのように、便利でなんでも揃うショッピングサイトが普及するとともに、街の店舗からはお客さんの足が遠のいて行った。
わざわざ店まで足を運んでも、欲しい品がないことがある。
取り寄せるとなると、数日は待たなければならない。
値段もショッピングサイトに比べて高い。
個人商店だと現金のみなんてところもあり、さまざまな支払い方法が選択できるサイトに比べて不便。
利便性という点で、小さいお店はとても太刀打ちできない。
では、そういった小売店の長所はどこだろう。
まず、実際に現物に触れられるところ。
それと、個人個人で事情の違うお客さんの、それぞれの質問に、それぞれ的確に答えを返すことができるところだろう。臨機応変、融通がききやすい。
サイトで買った場合、一番困るのはトラブルが起きたときに、なかなか応対をしてくれない(電話が繋がらない、メールの返信がない、AIの応対が画一的で細かい質問ができない、実際どこで誰が対応してくれるのかよくわからない、など)ところだろう。
何も問題が起きなければ、安い、早い、品揃えがいい、のショッピングサイトは時間の無駄がなくとても快適だが、一旦問題が起こると、それにかける時間は膨大なものになってイライララしがち。
それで、失敗したくない賢い消費者はどうするかというと、実店舗のあるところに行って、欲しい商品を実際試し、店員に質問したりする。納得するとサイトで買う。
自分も似たようなことをしながら、これじゃ小売店も潰れていくはずだ、なんて少し他人事のように思っていたのだが、ふと気がつくと、うちの店も全く同じ感じになっている( ̄ロ ̄|||)!
処方箋薬にはハードルがあり、まだアマゾンが直接販売する、というところまでは行っていないが、大手チェーンのドラッグストアが調剤も手がけるようになったので、資金力のない弱小調剤薬局は太刀打ちできない。
うちは特に弱小中の弱小‥(^▽^;)。
薬の品目は少ない、電子化は進んでいない、クレジットカードも使えない、ネットもつながっていない‥。
赤字なので社長も投資はしたくない。
お客さんは不便を感じて大手の薬局に流れていく。
そしてますます赤字に‥という悪循環。
最近めっきり増えたなと思うのが、半年ぶり、とか1年ぶりにくる患者さんだ。
お薬手帳を見ると、いつもは◯ギ薬局とか○ェルファとかに行っている。
そういう患者さんは「ちょっと聞きたいことがあるんですが」
といろいろ聞いていくことが多い。
うん、うちは皮膚科の薬ならちょっと詳しいからね。
それに患者さん他にいないから聞きやすいでしょ。
聞きにくいことでも疑問点でもなんでも聞いてください!
力の限り答えちゃうよ!(⌒▽⌒)
でもそれでいろいろ納得して「ありがとう、そういうことなんですね!」
と帰っていった患者さんはまたこなくなる。
つまり、賢い患者さんなんだろう。
なにもないときは大手でもらい、疑問があるときだけうちに来る。
まあ、たまにきてくれるだけでもありがたいんだけど。
そういうパターンが増えると在庫管理も難しくなる。いつ来るかわからない状態でも、その患者さんための薬は用意しておかなければならない。
高価な薬は増える一方だし、1回に処方される日数も長くなっているので、大量に在庫しなければならない。在庫リスクは高い。
一方、薬がなかったときの患者さんのクレームは年々厳しくなっている。
うーん、薬局はもう本当に必要ないのかな?
将来的にアマゾンが直接のりだしてきて、処方箋薬までもうちにお届け、ってことになるのかもしれない。(今はプラットフォームを貸してるだけだけど。)