近所のおじさんにいきなり相談された。
「薬局で麻薬を扱える資格とるのってすごくお金かかるのー?」
なんですか、いきなり?(^○^)
「実はね、今度先生に出してもらった薬が麻薬なんだって。
で、いつもお世話になっている薬局に相談したんだ。
いつもよく説明してくれるお兄ちゃんでね、若いのに一人でその薬局を経営しているんだって。
うちの薬局では麻薬を取り扱ったことがないから今は出せないんだけど、
資格とりますから大丈夫ですよって言うんだ。
それで、慣れたところの方がいいなあと思って頼んだわけ。
でも、実際薬をもらうことになると、すぐもらえないことがわかったんだ。
少なくとも半日待たないと薬が入ってこないって言うの。
2回とりに行くのも面倒だし、届けてもらったとしてもなあ、
やっぱりうちにいなきゃならないのが面倒くさい。
第一、痛いからすぐ欲しいじゃない?仕方ないから、
先生に一回余分にくださいって言ったんだけど、麻薬はそういうことダメなんだって。
副作用出たり、効き目がなかったりでなかなか難しくてねえ。
どれくらいの量を使うとちょうどいいのか、今試行錯誤中なんだ。
そのことも薬剤師さんには言ったんだけどなあ。
量が安定したらまた来ます、って。
そしたら黙っちゃって。
薬局変えたいけど悪いかなあ、オレのために資格取ったり、手間とお金かけたんだよな。
でも痛いだろ、すぐ欲しいんだ。
すぐ用意するのは無理なんだって、
最初に言ってくれたらよかったのに。
悩んじゃってさあ。
薬の中でも、特にすぐ渡さなければダメな薬は、
痛み止めや痒み止めの
「今、この症状をなんとかして欲しい!」
という薬と、抗生物質だ、と思う。
自分のところで持っていなければ、まずその説明をしなければならない。
すこし待ってもいいと言うなら、よその薬局で買ってくる。
あるいは持っているところを紹介する。
手持ちがあって、すぐ必要でない、という人のみ、郵送やお届けの相談をする。
これは薬局の常識中の常識だと思う。
オレがいうのもなんだけど(^◇^;)
おじさんの通っている薬局は、やる気のある若手の薬剤師が経営しているよう
処方箋を受け取ってから注文をするのですぐ渡せない、という一番肝心なことをなぜ最初に伝えなかったのか、謎だ。
麻薬は処分も難しいし、物によっては高価なので、薬局としては在庫が残るリスクは避けたい。
となると、やはり患者さんのことを思えば、うちでは難しいので、取り扱いも多い薬局を紹介します、という選択が一番いいと思う。
それをあえて、自分のところで引き受けてしまったのは、やる気が満ち溢れているからだと思う。
薬局にとって、自分のとって、レベルアップするチャンス。
経営的にも、今後プラスのなるかもしれない。麻薬の処方は点数も加算されるし。
やってみたいという気持ちが大きすぎて、患者さんへの配慮が疎かになってしまっている。
患者さんとは長年いい関係だったようなのに、残念。
経営者の目線が患者さんを思いやる気持ちを忘れさせたのか。
薬局は確かに経営が厳しい。
患者さん本位を徹底すれば、逆に経営が成り立たなくなる。
ちょうどいいバランス、というのはなかなか難しいのだった。
ちなみに、東京都の麻薬管理者の手続きはコレ↓。
登録料は4600円。自治体によって値段は違う。
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