教科書に載っていることと、患者さんの知りたいことは違うのだ。(エンシュア)

この間、エンシュアの勉強会があった。
糖尿や血圧や喘息などの薬と違ってあまり興味なかった。
正直、
「なんか、食欲のない患者さんとか経管栄養の患者さんに処方される、
栄養を補給する飲み物らしい。牛乳アレルギーの人には使えない。
ワーファリン使ってる人には注意」
くらいな認識。
すみませんでしたm(_ _)m。


<今回わかったこと(今更)>

①エンシュアHはエンシュアの1、5倍のカロリーなので(1.5Kcal/ml)、患者さんにとっては
それだけ少ない量でカロリー補給ができるので負担が少ない。


②経管栄養の場合も入れる時間が短縮できるので、介護者にとっても負担が軽くなる。


③3大栄養素のバランスが他社に比べていい(メーカーの人の自画自賛)。


④飲みにくい場合はゼリー状に固めたり、シリアルにかけるとけっこうイケる。


⑤メーカーは立場上絶対薦めないが、
牛乳を足したり、インスタントコーヒーを足したりしても、エンシュアの栄養素が壊れる
ことはないので、問題ない。


⑥ふたを開けたら、期限は24時間以内と言われているが、
口を付けずにコップに移して使った場合、ラップをかけて冷蔵庫に入れておけば
48時間はまず大丈夫。


⑦でも、ラコールの方が日本人の食生活に近い。良質な、お魚タンパク質が多い(先生より)。


昔はラコールのビタミンKの多さがワーファリン服用の人に問題になっていたが、
ラコールNFになり、大幅に減っている。


⑧試飲した。
<黒糖>エンシュアH。匂いは変だが、味はもろ黒糖
<コーヒー>匂いはあまりしないが、味はコーヒー牛乳。飲みやすい。
<ストロベリー>匂いはあまりしないが、イチゴミルクの味。甘い物好きにはくせになりそう。



で、患者さんの知りたいことはたぶん④⑤⑥あたりなのだ。
実際飲む時にどうすればいいかという具体案。
それから、建前はどうであれ、実際にはどうなのかということ。


オレはそういう実用的な面にはあまり気がつかない。
薬理的な面ばかり興味が行ってしまう。


そういうところはやっぱり主婦の人はよく気がつくなあといつも思う。
きっと日々家族の面倒をみているせいだろう。
いつも、実用的な面に目をむけた質問するのは主婦の人たちだ。


薬剤師業界から片手間な主婦を追い出せ、みたいな意見をときどき読むが、
オレは主婦はむしろ薬剤師に向いていると思う。
薬局に就職してからつくづく肌で感じているのだが、
薬剤師に求められていることというのは、深い知識ではなく、実務的な知識だと思うからだ。



病院薬剤師はまた求められているものが違うかもしれないけどね。