ジェネリックに変えたらかえって高くなった!?

ジェネリックを患者さんに薦める時に、メリットとして一番にあげるのが
「お薬代が安くなります」
だった。
ところが!
先日来た患者さんに
「どれくらい安くなるの?」
と聞かれて計算したところ、後発品の方が高くなってしまったのだ。
後発品のほうが半値以下なのにもかかわらず。
よく理由はわからなかったが、先発品のほうが安かったことを伝えて変更をやめにした。



そして、今日来た患者さんにも、
「どれくらい安くなるの?」
と聞かれたのでレセコンで計算したところ、また後発品の方が高くなってしまったのだ。
???

で、計算の仕方を調べてみた。

薬剤料を計算する場合、まず所定単位というものを計算する。
内服薬の場合、服用時点が一致する(朝食後だけとか毎食後とか)薬の1日分を合計したお金を所定単位とするのだ。
で、それを10分の1にしたのが点数。


問題は、所定単位のお金が15円以下だとすべて1点に計算されてしまうこと。

例えば、デパス1mgと後発品のエチカーム1mgでは薬価が2倍以上違うが、
デパス1mg 14.2円、エチカーム1mg 6円)


デパス1mg 1錠 1日1回 寝る前  30日分
の所定単位は14,2円なので1点、


エチカーム1mg 1錠 1日1回 寝る前 30日分
の所定単位も6円なので1点になってしまうのだ。


これに後発品は変更料がかかってしまうので、実質少し値段が高くなってしまう!



でもこれがもし1回2錠だったら、

デパスは14.2×2=28.4円≒30円(5捨5超入)=3点
エチカームは6×2=12円≒1点

と点数で3倍も違ってくる。
まあもとが安いから、3倍と言っても30日分で60円くらいしか違わん。
変更料を入れると、40円くらいかな。支払いはその3割で12円。


ついでに、頓服の場合。
所定単位は調剤全体分になるから

デパス1mg 1錠 寝る前 10回分

14.2×10=142円=14点

これが、エチカーム1mgに変更になると、
6×10=60円=6点

差はでるけど、やっぱ10回分で80円くらいの差。






だいたい、先発品が1錠15円以下(3割の保険で4.5円以下)というのはかなり安い。
へたにジェネリックに変えると、処方次第ではかえって高くついてしまうことがあるのだ。
オレの経験では、ソラナックスとユベラでも後発品のほうが高くなった。



結論。
先発品が昔からあるメジャーなものだと、薬価はどんどん下がるので
安いことが多く、後発品にかえるメリットはあまりないだろう。
先発品の薬価が高ければ高いほど、後発品に変えた時のメリットは大きい。
タケプロンとかね。