「漢方薬は食前に飲まないとだめですか?食後の薬と一緒に飲みたいんだけど」

食後にも薬を飲んでいる患者さんに割とよく聞かれる。
二回飲むのが面倒とか、食前に飲むの忘れちゃうとか。

漢方がでている処方せんをみていると、ほとんど食前ででているけど、中には食後指示のものもある。

なんで食前かというと、漢方薬は主成分が精製されているわけではないので、西洋薬に比べて濃度が低い、そのため少しでも吸収のよい食前に飲んだ方がいいとのこと。
漢方薬は言ってみれば根菜や野菜のスープみたいなもの,
と例えている本もあった。なので、コース料理の最初のスープと思えばいいのかな(∧∧)。

でも実は、原典では食事時間を基準に指示している訳ではないので、それほど厳密に考える必要はないとのこと。

そうは言っても、先生によってはこだわりを持っている方もいるので、その先生の方針をよく知っているのでない限り、薬剤師は軽々しく意見を言ってはいけない、らしい。
医院と薬局で言うことが食い違うと、患者さんは混乱しかねないから、という理由らしい。
厳密にはそんなたいしたことのない質問に答えるのも、まず先生に電話して、食後でもいいと了解を取らないといけないという法律がある。

薬局で無駄に時間がかかるようにみえるのも(私も患者の時は思ってたけど)、そういうしばりがあるからだ。

でもまあ、飲み忘れるんだったら食後に一緒に飲んでもいいと思う。
多少効き目は弱くなるかもしれないけど、逆に胃に負担をかけにくくなるという利点もあると思う。