最初は2020年12月の小林化工の睡眠剤混入事件。それを発端に大手の日医工など次々とジェネリック会社の品質管理の不備が明らかになり、いまだに供給不足が続いている。
ジェネリックが手に入らないので、やむをえず先発品を仕入れる薬局も多く、結果的にしばしば先発品まで手に入りにくくなっている。
思ったより多くの種類の薬が供給不足になり、思ったより長期に渡りこの状態が続いている。
この件が起きて以来、10数年前に衛生研の医薬品部の人たちが飲み会で言っていたことをよく思い出す。
彼らは国の許可が通ったジェネリック医薬品の規格検査を追試する仕事をしていた。
あまり詳しいことは言わなかったが、彼らは口々にこう言っていた。
いくらジェネリックを推進したいからって、甘すぎるよ。
(やらなければならない試験のデータの記載の)抜けが多くても平気で通ってる。
範囲外れてるのも通っていることがある。
いや〜キリがないよ。
今そのツケが出てきてしまったんだな、と思う。
大抵のことは大丈夫だからある程度ユルいのは黙認されていたのに、死亡者まで出てしまったから、やむなく管理体制を見直すってことになったんだろう。いまさらそんなこと言われてジェネリック会社も困っただろう。これは勝手な推測だけど(^○^)。←ネットで調べたら、ジェネリック協会が信頼回復のために自主的に点検を呼びかけたらしい。
そもそも品質管理が緩くても、とにかく後発品を増やそうと進めてきたのは厚労省だ。
薬局に対しては先発品を出すと厳しく調剤報酬を下げていき(患者さん自身が絶対先発品がいい、と希望しても下げられる)プレッシャーをかける。
先発品と同等の効果があります、と説明するが、自分で検査したわけじゃないから、本当にそうかはわからない。製造会社や国への信頼感が揺らげば、自信を持って説明できなくなる。
後発品のドタバタをみて、やはり先発品メーカーは品質管理がきちんとしているな、と思った。その点での問題が一切出てこない。(あまり誰も言っていないが)
しかし、それも先発品メーカーに余力があったためにできたことだと思う。
後発品にシェアのほとんどを奪われ、今後とも同じように管理できるとは限らない。
最近次々と、昔からある先発品が他の会社に移譲されている。先発品でも管理体制は変わってくることは十分考えられる。
厚労省は医療費削減!て命題しか持っていない気がしてきた(^▽^;)。
その主な手段は先発品を減らすことと薬局を減らすこと。
その手段を実行するためなら何でもする。
手段が目的になってる。
医療費削減の本来の目標は、国民の健康を今もこの先も守れるようにするため。
とても崇高な望みだ。
それを口先だけでなく、目先だけみるのでなく、広く遠く、考えて欲しいと思うのだった。
もっとできることはあると思う。