オテズラが適応なのは、次の3つ。
局所療法で効果不十分な尋常性乾癬
関節症性乾癬
うちの薬局で処方が出ているのは尋常性乾癬の患者さんたちだ。
数年前調べたときは、乾癬はTh1/Th2 のバランスが崩れて、
Th1が過剰になるのが原因だろうと推測されていた。
とてもシンプルでわかりやすかった。
それが最近では、Th17が鍵を握っている、という話になってきて、実はTh1は乾癬の症状を抑えているという話になっている。数年でこんな手のひら返し(^◇^;)
免疫に関わる物質は次々に見つかっていて、そのたびに、ますます混沌としてくる。一筋縄ではいかないシステムなのだー。
オテズラが効くしくみは、炎症を抑える働きをするcAMP、を分解してしまうPDA4(ホスホジエステラーゼ4)という酵素、の働きを抑えるから(文章で書くとちょっとややこしい( ̄∇ ̄))。
結果的に炎症性メディエーター(そのうちの一つがTh17が産生するIL17)を抑えて症状が改善する。
1日2回、食前でも食後でもOK。
Ccr<30ml/minの場合、用量調節必要。
例: 開始時は朝のみ服用、維持量30mg など
副作用は投与初期に悪心、下痢などの胃腸症状。その対応策として徐々に容量を増やしていく服用方法になっている。
服用中では、免疫が抑えられることによる症状、感染症や寄生虫に注意する。頭痛も副作用として多くみられる(5%以上)。
うちの患者さんでは、よく効いた人が2名、うち1名は軽快していったん中止になった。
一応飲んでるけどあまり効果がわからないという患者さんもいる。
一方で、リウマトレックスからの切り替えたが効き目はあまりかわらず、それなら、と費用の安いリウマトレックスに戻したらひどくなってしまい、戻すに戻せないという気の毒な患者さんもいる。
乾癬は何もしなくても軽快したりひどくなったり、と波のある病気なので、しばらく様子をみないと、本当に薬の効果なのかわからない。
薬は本当に使ってみなければわからない。
それはリスクが伴うけれど、個人個人の持つ体質が違うから仕方のないことだと思う。