ステロイド外用剤の副作用について③〜全身性副作用

体内の影響がでるステロイド外用剤の使用量の目安として、
副腎機能抑制が起こりうる量として表された文献がある。


ステロイドを長期間体外から入れた場合、本来体内から
分泌されるはずのステロイドの量が減ってしまっていて、
そのときに急に薬を中止すると、
ステロイドが足りない為に起こる副作用がでる。
「隙あらばなまけたい」
人間の習性の現れの一種といえる(^^)


ステロイド外用剤塗布で副腎皮質機能抑制が発生しうる量】

ランク 成人 小児
strongest 10g/日以上 5g/日以上
very strong 20g/日以上 10g/日以上
strong以下 40g/日以上 15g/日以上

*密封法で外用の際は1/3の量


安全外用量は念のためだいたいその半量。
【安全外用量の目安】

ランク 成人 小児
strongest 5g/日以上 2g/日以上
very strong 10g/日以上 5g/日以上
strong以下 20g/日以上 7g/日以上

*密封法で外用の際は1/3の量


成人では1日5〜10g程度の初期外用量で始め、
症状に合わせて漸減すれば、3ヵ月間までの使用では
不可逆性の全身性副作用は生じないと思われる。

(参考→阿曽三樹、島雄修平;日本医事新報3625:135-136,1993)


しかし結局この量は一般的な目安でしかないので、
個人の肌の状態や病状の程度によっては
絶対副作用が出ないとは言い切れない。
そのため、ステロイドを連用する際、
副作用を防ぐために一番有効なのは、ありきたりだが
経験が豊富な皮膚科の先生のところに定期的にきちんと通い、
その時々の状態を見てもらって、ステロイドの量を加減してもらう事だろうと思う。