ステロイド外用薬の副作用について②〜局所副作用

ステロイドの局所副作用は主に…
ニキビや皮膚の赤み、皮膚が薄く白くなる、多毛、各種皮膚感染症など。



と説明すると、必ず教科書どおり
「あれ、ステロイドは肌を黒くするんじゃないんですか?」
と質問してくる患者さんがいる(^^)。

ステロイドを塗った後に色素沈着がみられるのは、
「皮膚炎の鎮静後の色素沈着で、ステロイド外用剤(の副作用)によるものではない」


色素沈着は、不十分な量のステロイドを中途半端な期間で使い、
症状がよくなってきた時に自己判断で辞めてしまった場合などに起こりやすい。
これを皮膚科の先生はよく
「消火したと思っていて、実は弱火でずっとあぶっている状態」
と例える。



どれくらい使えば局所副作用が出るか?
これについては使用期間の目安がある。


連用によって局所性副作用が発生しうる予想期間

ランク 予想期間
strongest 4週以上
very strong 6週以上
strong以下 8週以上

*密封療法(ODT)の場合、1/2の期間。


安全期間としては、念のため上記の半分の期間に設定されている。
皮膚の薄い部分も短めの期間に設定。

部位 ランク 安全期間
顔面、頚部、股部、外陰部 全群 2週以内
その他の部位 strongest 2週以内
  〃   very strong 3週以内
  〃    strong以下 4週以内

なお、strong以上の強さのステロイドでは3週間以降の治療効果は
1日1回でも1日2回でも有意差はないとのことなので、副作用防止の点からも
急性期には1日2回、軽快後は1日1回に減らすことが推奨されている。
mildクラスの場合は1日2回のほうが治療効果はよい。
日本皮膚科学会アトピー性皮膚炎診療ガイドラインより)


局所性副作用の場合は、ステロイドの使用を中止あるいは適切な処置により回復するとされている。