いい介護が受けられるのは、偶然の要素が大きい。

在宅をやりだしてからつくづく実感したのがこれ。

たまたま当ったケアマネやヘルパーさんが、優しくて職業に信念がある人だったら、
担当の中でも心配な患者さんを時間外で面倒を見にいったりする
(時間内じゃとても終わらないからね)。
たびたび様子を見にいってあげたり、話を聞きにいってあげたり。

そういうケアマネやヘルパーさんだと、薬局にもまめに報告してくれる。
だいたい、最初にくれる情報が業者さんに寄って全然違うのだ。
ほとんど患者さんの情報はくれないところもあるし、病状やケア目標、
患者さんの性格や希望まで、
ぎっしり書いた誠実な報告書をくれるところもある。


たぶん、効率的にやるには、最小限の報告、最小限のケアだけで廻すのがいいのだ。
別に法を犯しているわけではない。
時間までの仕事はしているし、言われたことはクリアしている。


患者さんのケアは、本当にかかわり合う人たちの善意しだいで雲泥の差が出るものだとおもう。
よく面倒を見たからと言って、収入が増えるわけでもないし、あまり感謝もされないし、
自分の時間は削られるだけだ。
でもどうしても放っておけない、という人たちがいる。
そういう介護者に出会った患者さんは幸せだ。
また、そういうケアマネさんたちと仕事をできるオレたちもラッキーだ。
いろいろ教えてくれるので早く不具合なところを発見できるし、フィードバックもあるので、
どうしたら一番いいのか考えやすいのだ。
同じチームで仕事をしている気がする。


在宅に行き始めた頃。ある患者さんの台所はいつも生ゴミが散らかり、
夕食もバナナとかおにぎりとか粗末なものを食べていた。
部屋もおむつや紙類、衣服が散乱していて、見かねてついかたづけてたりした(^^)。


それが、ケアマネの事務所がかわったとたんに、その部屋は清潔に、
住み心地の良さそうな部屋になったのだ。
夕食もちゃんと手作りのものがでていた。
後でケアマネさんが聞いたら、かたづけのほうはとても終わらなかったので
休日わざわざそうじしにきたそうだ。



そういえば前のケアマネさんは有能そうで話がうまかったけど、
全然ケアできてなかったなあ、
それをなんとも思ってなかったなあ。


と、それで初めて気がついたオレもオレだが(^^;)。


日本の介護は善意に支えられているなあ〜。
医療も同じことが言えると思うけど。
いい人に当るのは運次第。


(しかし、見返りも考えない善意の人ほど、働きすぎて体を壊してしまったり、
精神的に参ってしまったりして長く続けられない率が高いのだった。
どっか間違ってるよなー。)