在宅で難しいこと②

在宅をやっていて、
「これは大変だな」
と思うことその2は


認知症の症状はあるが、家族やヘルパーさんなど、
生活のお世話をする人が近くに全くいない患者さんの薬の管理。


身寄りのない方だけではなく、りっぱな子供がいても、
どういうわけかまったく没交渉の方。


こういう患者さんは思ったよりも多い。


申請すれば、ヘルパーさんが入ることが可能なのか、
条件によっては、そんな状態の方でも保険が使えないのかは
わからない(調べてみるか)。


でも患者さんによっては
他人が家に入るのをよく思っていない方もいるので、
申請すれば何とかなるものでも、あえて避けているのかもしれない。


そういう方が何人か患者さんにいるとけっこう大変なことになる。
薬がないと言っては電話がかかってきて、
死にそうだと言っては電話がかかってくる。
休みの日も夜でも関係なしに。
その度に心配になって様子を見に行くオレら。


薬をもっていったらもっていったで、
病気で外に出られないけどもう食べ物がないとか、
トイレに間に合わずに便をもらしてしまってどうしようとか、
ここが痛いからもんでくれとか、湿布貼れとか
薬の話なんてどころじゃない。
やっぱ一番大事なのは日々の生活、食事と排泄の問題なのだ。
あと、痛みのない生活。←これはちょっと薬に関係ある。


本当は薬剤師は薬の管理以外の仕事をしては違法行為なのだ。
そういった教育も受けていないし、へたに手を出しては、
後で責任問題にもなりかねない。でも、


患者さんよろよろしながら
立ち上がってるし。あ〜ころびそうだ!



って時にいろいろいってられるだろーか。
お腹すいて死にそうだ、って患者さんに、
薬だけ置いて帰れるだろうか?



そういう患者さんは、在宅にとても時間がかかってしまうのだ。
薬局を商売と考えると、とてもコストパフォーマンスが悪い。


大手ばかりになってくると、そういう患者さんは切り捨てられて
いく気がする。
時間がかかれば、能率が悪い、余計なことはするなと
上の人から怒られだけだろう。


オレの薬局は幸い小さくて、社長を始め職員もそういう患者さんに
同情的なので、できる限り面倒は見るようにしている。
帰りがけに様子を見に行ったり。
そしてまた、ただでさえ人が足りないのに、
どんなに薬局がこんでてんてこ舞いになっても、
そういう患者さんの在宅に行って長引いた人を責めない。
みんなが状況をわかっているから(⌒▽⌒)。
これ、たぶんとても珍しいことだと思う。



これからの薬剤師はどれだけボランティア精神があるか、
どれだけ心が広いか、
ということも、もしかしたら大事になってくるのかもしれない。
(いや、それともそんな悠長なことをやってる薬局はつぶれるかな〜。)



オレはボランティア精神は意外にないようで
(自分ではすげーあると思ってた(⌒▽⌒))、
正直ちょっといやけがさすことあるもんな。
だいたいそこまで時間さいても、
別に感謝もされないし。
修行だな(^^;)。



しかし、なんとかならないんだろうか、そういう患者さんの
面倒を見るしくみのようなもの。
いやしくみっていうより、自然発生的になんかさ。


なにかというと、すぐ専門の人にまかせろ、って話になるけど、
そうやって、皆が手を貸すのを辞めてしまうのもどーかと
個人的には思う。
機械的つか、無味乾燥なかんじ。
今の世の中、すぐ責任追及って話になるからめんどくさいっていうのも
あるかもしれないけど。



まーこれはまた別の話か。