「どうして薬剤師って根掘り葉掘り聞くのよ。めんどくさいし、余計なお世話ってかんじ」

患者さんじゃないけど、私が薬局に転職すると言った時に、
バイト仲間のおばさんが言った言葉です。
言った人だけでなく、他のひとたちも「そうそう!」とうなずいてました。

で、薬剤師ではない友達に
「こんなこと言われちゃってさー。へこむー」
と話したら、
「ほんと、私もそう思ってた。」
だって。ダメ押し(ノД`)。
患者さんは我慢してるけど、そう思ってる人は予想以上に多いらしい。


で、私は一応言い訳しました。


「だって処方箋には病名も書いてないし検査値だってわからないからさー、
どういう症状でかかったか聞きたいんだよー。
同じ薬でもいろいろな病気にでることあるから、高血圧の人に心臓の薬です、とか
泌尿器の病気の人に眠れないんですね、とかとんちんかんな説明をしないようにさ。
あと、他の薬や他の病気のことまで聞くのは、飲み合わせの悪さとか
その薬を飲んではいけない人とかをチェックするためなんだよー。」


と、薬剤師にとっては超当たり前のことをくどくど説明したわけ。
そしたら


「なんだ。それならそうと言ってくれればいいのに!」



だって!えー、知らなかったの?
タダの好奇心で聞いていると思ってたわけ!?
(まあ、この病気にはこんなふうな処方が出るのか、とそれでこっちの勉強になるから聞きたいってこともあるけど。)



バイト仲間のおばさんにも試しに同じ話をしたら、やっぱ「そうなの!?」と初めて知った、という反応でした。


えー。それ、こっちにとっては逆にびっくりだよ!


それ以来私は、



いろいろな病気に出る薬なのですが、本日はどのような症状でかかられたのですか」
とか



飲み合わせの悪いお薬もありますので、すみませんが他に飲んでいるお薬も教えていただけませんか」
とかいうふうに、ちょっと前置きを置いて話すことにした。




そうしたら、うるさがっていた患者さんが急にいろいろ薬をみせてくれだしたり、症状を話してくれたり、
ということがおきるようになった。
相変わらずうるさがる患者さんも多いけど。
きっと何割かは、パートのおばさんや私の友達のように誤解していたのに違いないのだ。
ちょっとした言葉って大きいなーと思った。