アクアチムクリーム
効能又は効果
<適応症>表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、ざ瘡(化膿性炎症を伴うもの)
アクアチムローション
効能又は効果
<適応症>ざ瘡(化膿性炎症を伴うもの)
アクアチム軟膏
効能又は効果
微妙に適応症が違う。
円形脱毛症の患者さんに朗報!
昨日(R4.6.20)より、ついにオルミエントが円形脱毛症にも保険適応になった!
とはいえ、軽症の患者さんには使えない。脱毛が50%以上でないと適応にならないそうだ。
円形脱毛症にも保険適応になるらしい、といううわさは前から聞いていたが、内心は本当に実現されるのかなあと思っていた。
医療費の切迫が叫ばれ、本当に保険適応するべき薬だろうか、ということが厳しく議論される
昨今、命に関わる病気ではない円形脱毛症に、こんなに高額な薬が保険適応になるだろうか?
と思っていた。
なったね。意外(⌒▽⌒)!基準がよくわからん‥。
でも実は薬局の立場で言うと、何十万円もする薬をよりたくさん在庫しなければならないと言う頭の痛い問題がある。高い薬だろうがなんだろうが、仕入れ値と売値はほぼ一緒なので、薬局にとっての利益はなく、在庫リスクだけが増えていく‥(T_T)。
箱単位で処方されればまだいいのだが、日本にはそんな法律はないので、だいたい中途半端に残り、結局期限切れで破棄することになる。薬の値段が高いほど、薬局にとっては大変な損害になってしまう。
高額な薬が増えてきて、ますますこの問題は大きくなっていくと思う。
患者さんにとってはよかったね、と思う反面、薬局としてはちょっと頭が痛いのだー。
在庫の金額は上がっていく一方で、うちみたいな小さい薬局はいつまで営業できるのだろうか‥。
社長、なんとかがんばってくださーい(>人<;)。
最後、つい愚痴になってしまい、すみませんー(^▽^;)。
最初は2020年12月の小林化工の睡眠剤混入事件。それを発端に大手の日医工など次々とジェネリック会社の品質管理の不備が明らかになり、いまだに供給不足が続いている。
ジェネリックが手に入らないので、やむをえず先発品を仕入れる薬局も多く、結果的にしばしば先発品まで手に入りにくくなっている。
思ったより多くの種類の薬が供給不足になり、思ったより長期に渡りこの状態が続いている。
この件が起きて以来、10数年前に衛生研の医薬品部の人たちが飲み会で言っていたことをよく思い出す。
彼らは国の許可が通ったジェネリック医薬品の規格検査を追試する仕事をしていた。
あまり詳しいことは言わなかったが、彼らは口々にこう言っていた。
いくらジェネリックを推進したいからって、甘すぎるよ。
(やらなければならない試験のデータの記載の)抜けが多くても平気で通ってる。
範囲外れてるのも通っていることがある。
いや〜キリがないよ。
今そのツケが出てきてしまったんだな、と思う。
大抵のことは大丈夫だからある程度ユルいのは黙認されていたのに、死亡者まで出てしまったから、やむなく管理体制を見直すってことになったんだろう。いまさらそんなこと言われてジェネリック会社も困っただろう。これは勝手な推測だけど(^○^)。←ネットで調べたら、ジェネリック協会が信頼回復のために自主的に点検を呼びかけたらしい。
そもそも品質管理が緩くても、とにかく後発品を増やそうと進めてきたのは厚労省だ。
薬局に対しては先発品を出すと厳しく調剤報酬を下げていき(患者さん自身が絶対先発品がいい、と希望しても下げられる)プレッシャーをかける。
先発品と同等の効果があります、と説明するが、自分で検査したわけじゃないから、本当にそうかはわからない。製造会社や国への信頼感が揺らげば、自信を持って説明できなくなる。
後発品のドタバタをみて、やはり先発品メーカーは品質管理がきちんとしているな、と思った。その点での問題が一切出てこない。(あまり誰も言っていないが)
しかし、それも先発品メーカーに余力があったためにできたことだと思う。
後発品にシェアのほとんどを奪われ、今後とも同じように管理できるとは限らない。
最近次々と、昔からある先発品が他の会社に移譲されている。先発品でも管理体制は変わってくることは十分考えられる。
厚労省は医療費削減!て命題しか持っていない気がしてきた(^▽^;)。
その主な手段は先発品を減らすことと薬局を減らすこと。
その手段を実行するためなら何でもする。
手段が目的になってる。
医療費削減の本来の目標は、国民の健康を今もこの先も守れるようにするため。
とても崇高な望みだ。
それを口先だけでなく、目先だけみるのでなく、広く遠く、考えて欲しいと思うのだった。
もっとできることはあると思う。
「鉄が足りないんだって。特に症状はないんだけど」
と患者さんが検査値のデータを見せてくれた。
血清鉄の量はむしろ基準値より少し多いくらい。
ただしフェリチンが低い。
赤血球の数は正常。
鉄の不足は、まずフェリチンの値にあらわれる。
これは貯蔵鉄の量を反映している。貧血の症状が出る前に、一番先に減るのが貯蔵鉄なのだ。
収入が少ないとき、生活を維持するため貯金を切り崩していくっていうのと同じカンジ。
見かけ上生活水準は変わらない(^○^)。
略語 | 基準値 | |
フェリチン | 男:40-100ng/mL | |
女::20-70ng/mL | ||
鉄 | Fe | 男:60-200μg/dl |
女:50-170μg/dl | ||
ヘモグロビン | Hb | 男:13.5-17.5g/dL |
女:11.5-15.0g/dL | ||
赤血球数 | RBC | 男:400-550×10⁴/μL |
女:350-500×10⁴/μL |
貧血にも種類がある。その鑑別のために一番先に見るのは、MCVという項目だ。これは赤血球の大きさを表す値で、大きさの大小によってだいたいの貧血の種類が分けられる。
小球性貧血 | 正常球性貧血 | 大球性貧血 |
<80 | 80<MCV<100 | 100< |
鉄欠乏性貧血 | 再生不良性貧血 | 巨赤芽球性貧血 |
腎性貧血 | 肝障害に伴う貧血 | |
急性出血 | 骨髄異形成症候群 | |
慢性疾患による貧血 | ||
溶血性貧血 |
重度の円形脱毛症に例の高額アトピー薬(リウマチ薬でもある)、オルミエント(JAK1,2阻害)が効き目があるという海外の報告がある。
円形脱毛症は自己免疫疾患であるため、免疫抑制剤であるJAK阻害剤が効くのではないか?と試してみたところ、良好な結果が出たそうだ。↓
Treatment of severe alopecia areata with baricitinib
Brianna Olamiju 1 , Adam Friedmann 2 , Brett King 3
Affiliations expand
PMID: 31681829 PMCID: PMC6818396 DOI: 10.1016/j.jdcr.2019.07.005
(論文検索で調べてみたが、アブストラクトが載っていなかった(T_T))
同じくJAK阻害剤であるリウマチ薬、ゼルヤンツ(JAK1,3阻害)でも顕著な効果が出たという論文がある。
こちらの論文によると、40人弱の重度の円形脱毛症の患者に6ヶ月間、通常量のゼルヤンツを投与したところ、ほとんどの患者で顕著な発毛がみられたが、治療終了後3ヶ月で約3分の2が再発した、ということだ。↓
Janus Kinase Inhibitors for the Treatment of Severe Alopecia Areata: An Open-Label Comparative Study
Nawaf Almutairi 1 , Tarek M Nour 2 , Nasser Haji Hussain 2
Affiliations expand
PMID: 30566941 DOI: 10.1159/000494613
効き目が期待できるとはいえ、高価な薬を6ヶ月使って、再発率3分の2か‥。
イーライリリーのプレスリリースをみつけた。
36週間で検討している。
約9ヶ月‥うーむ。値段が‥。
庶民なんで、値段と再発率が気になる(⌒▽⌒)。
そんなことなら、日本の期待の星!JAK阻害剤であるコレクチム軟膏を塗ればいいんじゃない?と思うけれど、外用薬では効き目はでていないそうだ。
うーん、でも少しくらいなら効き目あるんじゃない?
(あくまで個人の妄想です)
日本たばこさん、本気で研究してくれないかな?(⌒▽⌒)
既存の薬で、新型コロナ感染症の治療薬に使えるものはないかと模索されている。
大切なのは治療薬を投与するタイミングで、あまり重症ではない時期に抗炎症薬を投与してしまうと、免疫力が落ち、かえって症状が悪化する恐れがある。
新型コロナは、初期症状はタダの風邪と変わらないが、風邪に比べて悪化する割合がダントツに高い。
一定数の発症者は、ある時期を境に免疫反応の暴走が起こってしまい、過剰な免疫反応が自分自身を攻撃してしまう。
この反応はリウマチやアトピーの反応と同じなので、この時期には抗リウマチ薬やステロイドなど、抗炎症薬が過剰反応を抑えるのに使われる。
今厚労省で承認されている治療薬は3種あるが、いずれも抗炎症薬であり、発症早期には使えない薬だ。
レムデシビル(ベクルリー)
バリシチニブ(オルミエント)
一方、発症初期から使える抗ウイルス薬については、さまざまな検証がされているが、今のところ目立って効果のある薬は見つかっていないようだ。
意外な治療薬か⁉︎と期待されたカモスタッド(フオイパン)も6月11日に検討を中止した。
今、国内で抗ウイルス作用を期待して検討されているのは、
ファビビラビル(アビガン)
イベルメクチン(ストロメクトール)
だが、果たして⁉︎
現在世界中でコロナ治療薬の開発が、あの手この手で進められている。
薬塩野義製薬でも経口の治療薬を開発中とのこと(機序は不明)。
化学工業日報4月の記事より。今はさらに増えているかも(^○^)
↓
コロナのワクチンを打つかどうか、色々な意見がある。
たしかにコロナワクチンは、一刻も早く開発しなければならないという事情から、検証の時間も短く大急ぎで発売された感はある。
その上、今までとは全く違う機序の薬。遺伝子を利用するような薬とあっては不安になるのも当然だろう。
有効性や副反応のことはだいぶ詳しくわかってきているが、個人的に気になるのは、その後の副作用の方だ。異物を延々と体の中で作り出していたら、免疫疾患にならないのかなという疑問。これに対する答えはまだない。今後の結果を待つしかない。
だいたい、長期間ターゲットのタンパクを作れば作るほど副作用の危険は大きくなっていくだろうし、早々にその機能が失われれば、ワクチン効果はすぐなくなってしまうだろうし‥。
ならばそんなデータも揃っていない薬なんか打たなければ安心かというと、今現在のコロナに対してはワクチンを打った方が安全だと思う。特に中高年は(^○^)。
リスクとベネフィット。
それぞれの事情で打つかどうかは個人の判断に任されている。
かなり心許ない状態だ。
打つのに肯定的な意見の人も否定的な意見の人も、免疫学や感染症の教授だったりして、それぞれに説得力もあり、本当に迷ってしまう。
もう、吉と出るか凶と出るか、賭けに近いのかな、とも思う(^◇^;)。
今回コロナワクチンのことを考えていて、
そもそも薬には絶対安全、というものはない、ということを思い出した。
効き目のよい薬ほど副作用にも用心しなければならない。
患者さんの中には
「で、効くんですか⁉︎効かないんですか⁉︎」
とか
「だから、副作用は出るんですか⁉︎出ないんですか⁉︎」
とか二者択一を迫ってくる方が時々いる。
絶対の保証が欲しいのだと思うけれど、正確にいえば
「使ってみなければわからない」
なのだ。
一般論なら言えるけれど、だからといってその人に副作用が出ない保証はできない。
薬を使う、医療を受けるということは、
「絶対に治る」
ということではなく、
「今考えられる最善の治療を試している」
ということに過ぎない。
リスクの大きさは違っても、医療は絶対ではない。
昔より安全性は高まっているのに、患者さんの不安感はずっと高くなっているのを感じる。
それだけ医療に対する期待感も大きくなっているのかな、と思うけれど、絶対ということは言えないのだから、ある種の諦めも必要じゃないのかな、と個人的には思っている。
薬剤師の立場からはそういう説明は難しいけれど(絶対を求める方は責任回避としか思わず、ますます医療不信に(^◇^;))。
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