絶対大丈夫な薬はないという事実。

コロナのワクチンを打つかどうか、色々な意見がある。

たしかにコロナワクチンは、一刻も早く開発しなければならないという事情から、検証の時間も短く大急ぎで発売された感はある。

その上、今までとは全く違う機序の薬。遺伝子を利用するような薬とあっては不安になるのも当然だろう。

有効性や副反応のことはだいぶ詳しくわかってきているが、個人的に気になるのは、その後の副作用の方だ。異物を延々と体の中で作り出していたら、免疫疾患にならないのかなという疑問。これに対する答えはまだない。今後の結果を待つしかない。

 

だいたい、長期間ターゲットのタンパクを作れば作るほど副作用の危険は大きくなっていくだろうし、早々にその機能が失われれば、ワクチン効果はすぐなくなってしまうだろうし‥。

 

ならばそんなデータも揃っていない薬なんか打たなければ安心かというと、今現在のコロナに対してはワクチンを打った方が安全だと思う。特に中高年は(^○^)。

 

リスクとベネフィット。

それぞれの事情で打つかどうかは個人の判断に任されている。

かなり心許ない状態だ。

打つのに肯定的な意見の人も否定的な意見の人も、免疫学や感染症の教授だったりして、それぞれに説得力もあり、本当に迷ってしまう。

もう、吉と出るか凶と出るか、賭けに近いのかな、とも思う(^◇^;)。

 

今回コロナワクチンのことを考えていて、

そもそも薬には絶対安全、というものはない、ということを思い出した。

効き目のよい薬ほど副作用にも用心しなければならない。

患者さんの中には

「で、効くんですか⁉︎効かないんですか⁉︎」

とか

「だから、副作用は出るんですか⁉︎出ないんですか⁉︎」

とか二者択一を迫ってくる方が時々いる。

絶対の保証が欲しいのだと思うけれど、正確にいえば

「使ってみなければわからない」

なのだ。

一般論なら言えるけれど、だからといってその人に副作用が出ない保証はできない。

薬を使う、医療を受けるということは、

「絶対に治る」

ということではなく、

「今考えられる最善の治療を試している」

ということに過ぎない。

 

リスクの大きさは違っても、医療は絶対ではない。

 

昔より安全性は高まっているのに、患者さんの不安感はずっと高くなっているのを感じる。

それだけ医療に対する期待感も大きくなっているのかな、と思うけれど、絶対ということは言えないのだから、ある種の諦めも必要じゃないのかな、と個人的には思っている。

 

薬剤師の立場からはそういう説明は難しいけれど(絶対を求める方は責任回避としか思わず、ますます医療不信に(^◇^;))。

 

 

 

 

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