掌蹠膿疱症について

皮膚科門前に来てから、割と遭遇するのが掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)。
この病気について知らなかったのでメモ(^^;)。


【症状】
手掌、足底に無菌性膿疱が多発し、慢性に経過する皮膚疾患。
ただし膝蓋、下肢、体幹、頭部にも丘疹、鱗屑の症状でることあり(掌蹠外皮疹)
10%の症例で骨関節症合併がみられる。


病巣感染(歯周病副鼻腔炎扁桃炎、中耳炎など)、金属アレルギーなどが増悪因子の20〜30%占める。



紅班→水泡(リンパ球浸潤)→膿疱(好中球浸潤)→痂皮、落屑


のサイクルを繰り返す。


緩解と増悪を繰り返すが、多くは3〜7年で自然消退する。


【治療薬】
水泡形成時・・リンパ球湿潤、細胞性免疫関与。免疫抑制作用がある薬剤が有効な時期。
  ステロイド外用薬(デルモベート、アンテベートなど)
         

膿疱形成時・・好中球集積、ステロイドはこれを抑える機能が弱いので・・。
  活性型ビタミンD3外用薬(オキサロールとボンアルファのみ適応あり
         
落屑・・角質軟化剤(サリワセなど)、保湿剤(ヒルドイドソフトなど)



病巣感染・・抗菌剤


骨関節症状・・NSIDs


難治例・・ネオーラルなどの免疫抑制剤(適応外)


その他・・ビオチン療法


【チェックすること】
喫煙・・80%近くの患者さんが喫煙者。禁煙指導する。
糖尿病、甲状腺疾患・・合併することあり。のどの渇き、疲労感、動機、息切れなどのチェック。
金属アレルギー・・歯科金属の除去が有効なことあり。
関節痛・・胸、腰、背中の真ん中、指の間の痛み。
活性型ビタミンD3外用薬・・1日の使用量は10gまで。



【原因などの推察】
Th1/Th2バランスの異常。
細胞性免疫の亢進。Th1↑
乾癬の特殊型とも考えられる。
免疫機能から考えるとアトピーを合併することはないと思われる。