生薬で注意する成分②

<マオウ>
マオウ科のシナマオウ、中麻黄、キダチマオウの茎を乾燥したものの抽出液。
エフェドリン等数種のアルカロイドを含む。

エフェドリンは中枢刺激作用が強く、覚せい剤の原料にもなるし、それ自体興奮剤として乱用されたりしている。
薬効としては発汗をうながして熱を下げたり、気管支拡張作用があるので咳を鎮めたり・・
風邪、感冒の初期に用いられることが多いかな。

よくでる漢方だと、葛根湯、小青龍湯、防風通聖散麻黄湯、麻黄附子細辛湯など。

しかし、一方で中枢刺激作用が強くでることでの副作用もある。たとえば


痙攣とか、
高血圧
心筋障害
脳卒中
精神病
多臓器障害


など。怖いのだ。



でも、覚せい剤取り締まり対象となる総エフェドリン量は約10%に対し、
生薬の総エフェドリン含有量は0.7%程度なので、医療用漢方だけでは
そういう副作用の報告はあまりないと思われる。



問題は健康食品かな。怪しいやせ薬とかさ。あと、輸入の漢方剤。
中国では昔はマオウを全草で1回だけ抽出していたものを、
最近は粉末にして2回抽出する製法に変わってきたため、
エフェドリン含有濃度がかなり高くなってしまったという。
アメリカではマオウ自体、販売禁止になっている。