経口肝炎治療薬は高いな〜。

C型肝炎の方に新しい薬について聞かれた。
C型肝炎についてあまり知らなかったので少し調べてみたら
イロイロと複雑な気持ちになった。


C型肝炎ウイルスHCV)を排除する薬は今まではインターフェロン(IFN)を
使うしかなかった(経口剤併用としても)。
コレは高齢者には使えないし、注射だし、
副作用がけっこうつらい事が多い、
等の理由で、実際使っている患者さんの割合は多くはなかった。
C型肝炎の患者さんの多くは65歳以上)


そこに登場した、日本初、経口剤のみでC型肝炎(ジェノタイプ1)を治療できる薬!
年齢のしばりはないし、副作用の面でも治癒率の面でもIFNよりずっと優れている。
画期的な薬だ。


で、ふと貧乏なオレが考えたのは、治療費のことだ。


具体的な治療方法は
スンベプラ(アスナプレビル、NS3/4プロテアーゼ阻害薬)2錠を1日2回、
ダクルインザ(ダクラタスビル、NS5阻害薬)1錠を1日1回、
24週服用する。



薬価を調べると
スンベプラ1錠 3280.7円
ダクルインザ1錠 9186円
これを24週使うと、えーと、約265万円くらい。
でも保険や助成金などあるから、自己負担で月45万、
ということではない。
実際のところはどれくらいになるんだろう。



この薬はブリストルマイヤーズ社から発売されるのだが、
実は世界にさきがけて日本で販売承認、という薬なのだ。
本家のアメリカではまだ承認されていない。


アメリカではブリストルに先駆けてギリアドサイエンシズ社が
ソバルディ(ledipasvir/sofosbuvir)という抗HCV薬を発売している。
今のところアメリカで使える抗HCV薬はこれだけ。


・・をいいことに、1錠10万円!という破格な薬価!


こちらは1日1回1錠で12週服用の薬。
えーと・・840万円か!


アメリカは国の保険はほぼ機能していなくて、その代わり保険会社が
健康保険を扱っていて、莫大な利益と権力をもっているそうだが、
今やソバルディは保険会社の利益を大きく圧迫する原因になっているそうだ。



しかしこの薬はブリストルマイヤーズの薬より
臨床成績がよい。
日本では承認申請準備中の薬。
発売まで1年〜1年半くらいかかると言われている。



高価な薬は患者さん自身の医療費も大変だと思うが、
莫大な支出になっている国の医療費も心配だ。
IFN治療と違い、経口肝炎治療薬の適応のある患者さんの数は
膨大だ。


とはいえ、実際自分が病気になれば、
より安くより効果があり、
より安全な治療を受けたい
と思うのは当たり前だろう。


日本の肝炎治療はどうなっていくんだろう。
そして日本の医療制度はこの先どうなっていくんだろう・・
(話がまとまらんな・・)